こんにちは。残業代バンクの齋藤です。

ここでは少しだけお時間をいただいて、残業代バンクの誕生秘話をお話させていただきます。

……基本的には「ただの苦労話」ですので、興味がわかない方は『残業代請求に関する記事一覧』にお進みください。

さて、残業代バンクの運営理念は「残業代請求という正当な権利を行使したいのに、その方法がわからないがために悔しい想いをしてしまっている方のお手伝いをしたい」です。

そして、「良いコンサルタントは結果が出て初めて報酬を受け取るものだ」という考えから、「着手金一切不要」「回収できなければ料金も一切不要」というサービスを提供してきました。

残業代バンクの無料相談の満足度が高い理由や理念は『残業代バンクとは?』でお話しています。

しかし、「社会保険労務士という労働問題のスペシャリスト」が、「完全な成功報酬型」で相談(依頼)を受けるこのサービスを提供するまでにはいくつかの苦労もありました。

1.社会保険労務士は誰の味方?

そもそも、「残業代請求という正当な権利を行使したいのに、その方法がわからないがために悔しい想いをしてしまっている方のお手伝いをしたい」と思い立ったきっかけは、ある高名な社会保険労務士のセミナーでした。
厳密に言うと、私がそのセミナーに出席したわけではなく、そのセミナーの広告を見かけたことがきっかけでした。

そのセミナーのキャッチコピーは「愛社精神のない従業員が残業代請求をしてくる!」というものでした。

……もう、違和感しかありません。

いわゆる団塊の世代の方々や、私くらいの年代であれば、気持ち的には理解できる部分もあるとは思います。

しかし、法的見地から考えれば、違和感を通り越して、事件の匂いしかしません。

残業代を支払うことは労働基準法で定められています。つまり、日本国民(法人含む)が遵守しなければならないルールなのです。その法律に基づいて請求をしている従業員に対して「愛社精神のない」とは一体どういうことなのでしょうか。
社会保険労務士、しかも、少なからず世論に影響力を持つ高名な人物が、使用者(経営者)の目を引くためとはいえ、このようなキャッチコピーを用いてよいものでしょうか。

社会保険労務士の使命のひとつは、労働基準法が遵守されていない職場環境を改善し、労働者(社員や契約社員、アルバイトなどすべての従業員)が働きやすい会社を創造するお手伝いをすることであるはずです。

それが、昨今の業界事情を推察するに、95%以上の社会保険労務士が労働者側でなく、使用者(会社)側に立つという由々しき事態に陥っているのです。
社会保険労務士も仙人ではありませんから霞を食って生きていくことはできません。当然仕事を受注し、報酬を得て、稼がなければなりません。そして、報酬を得やすいのは(労働者側ではなく)使用者側でしょう。

しかし、一体、社会保険労務士は誰の味方なのか?

使用者の味方ではありません。かと言って、労働者の味方でもありません。
法律に基づいた権利を行使できずに悩んでいる人(法人含む)の味方なのです。

また、誤解のないように付言すれば、すべての残業代請求者が正しいとも限りません。根も葉もないことで言いがかりをつけ、残業代を支払わせようとしている労働者からは使用者を守らなければなりません。
ここに社会保険労務士の労働問題のスペシャリストたる知識と判断、バランス感覚が活きてくるのです。

使用者側だけにしか立ったことのない、言わば守りの業務しかしたことのない社会保険労務士に使用者(社会保険労務士にとっては顧客)を守り抜くことができるでしょうか?

会社を経営する私から言わせてもらえば、「労働者側(請求する側)のサポート経験がない=請求する側の戦略や戦術がわからない」、もっと言うと、「残業代を請求してきた背景や感情が理解できていないのでは?」と疑ってしまいすらします。

このような社会保険労務士業界の偏りによって、残業代バンクのパートナー社会保険労務士は慢性的に不足している状況です。
逆説すれば、現パートナー社会保険労務士たちは、社会保険労務士の責務である「法で認められた権利も主張できない労務環境を改善する」という強い気概を持って活動しているということはご理解いただければ幸いです。

残業代バンクではパートナー社会保険労務士を募集しています。私たちの考えにご賛同いただける場合、『パートナー募集』からご連絡ください。※社会保険労務士の有資格者に限ります。
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2.残業代バンクは他士業からしたら邪魔臭い?

残業代バンクが誕生した2011年頃、残業代請求を「着手金一切不要」「回収できなければ料金は一切不要」という完全成功報酬型で受任する士業は皆無でした(もっとも、残業代請求を受任する士業も数えるほどしかいませんでしたが)。

そんな折に突然、どこの馬の骨だかわからない奴らが、未開拓であった残業代請求市場を急襲してきたわけです。

しかも、完全成功報酬型という異国の武器を携えて。

古参の士業の方々からしたら、それはもう邪魔臭かったと思います。
○○士会や○○士会から通告書や警告書も届きました。

通告や警告の内容はお話しできませんが、残業代バンクの運営方法への指摘であったり、ウェブサイト内の表現や引用への指摘です。私たちからすれば、玉石混交、残業代バンクの糧とさせていただいたもの(間違いに気づかされたもの)、つまらない言いがかり染みたものまで様々でした。

勿論、そのすべてに応対し一定の理解を得られたからこそ、今現在も残業代バンクが存続していることは申し添えます。

……当時は本気でビビってました(笑)ネット上に蔓延する匿名の無責任な誹謗中傷とは異なり、士業を管轄する団体からのきちんと真っ向から対峙する通告ばかりでしたから。

結局、残業代バンクが誕生してから2~3年が経過した2014年頃には、完全成功報酬型が市場のスタンダードになりました。
これは価格競争ではなく自然淘汰です。本来あるべき形、然るべき形に淘汰されたと理解しています。

また、余談ですが、今後は完全成功報酬型を前提とした、報酬率における価格競争が起こるかもしれません。しかし、残業代バンクに限って言えば、現在の報酬率(額)を大きく変えるつもりはありません。
(残業代バンクも霞を食っているわけではないので断言はできませんが)

誕生当初から、本来あるべき形(成功報酬型、且つ、適正な報酬率)で運営しているから、変える必要がないのです。

報酬率を下げれば、それは受け手(士業)の報酬が下がるということです。適正未満の報酬となればサービスに粗が出始めます。
適正な報酬で適正なサービスを提供する、安かろう悪かろうにならない、自分たちのできること以外には手を出さない(できるようになってから手を出す)、これが相談者様(依頼者様)にとっての最適化なのです。

3.なぜ苦労話をしてきたのか?

私たち残業代バンクのことを知ってほしかったからです。

残業代を請求しようと思い立った人の多くはネット検索という方法で相談(依頼)先を探します。

しかし、『残業代バンクとは?』でもお話ししていますが、インターネット上に溢れている情報(士業)の中から、真にあなたが求めている相談先を見つけることは至難の業です。
だって、残業代バンク含め、書いてあることは大体同じですから。

依頼者も受任者も人間です。1,700人以上からの相談をお受けしてきた経験上、結局は人対人です。
ですから、私たちの暗黒時代(?)含め、きちんとご理解いただけた方だけからのご相談をお受けしたいと考えたからです。

今後も、私たち(主に私)の、押しつけがましい価値観や愚痴を掲載させていただく機会があるやもしれません。

4.残業代バンクは変わらない

残業代バンクは、これからも原点の想い、そして、「着手金一切不要」「回収できなければ料金は一切不要」の精神を貫き、世の中に蔓延する悪いコンサルタントのような、悔しい想いをしている人をカモにするようなサービスは断固拒否し続けます。

昨今の残業代請求ブームを受け、似たような主旨のサービスが出てくるかもしれませんが、そのサービスが果たして本当に適正なのか?最適化されているのか?をしっかりと見極めてください。

私たちの理念は「正当な権利を行使したいのに、その方法がわからないがために悔しい想いをしてしまっている方のお手伝いをしたい」です。今後、残業代バンクの運営方法や方向性は変わるかもしれませんが、この運営理念は変わりません。

残業代バンク 齋藤慎也

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