2017/09/22

自分で送る!残業代の請求書(内容証明郵便)の送り方【郵便局版】

 

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前回は、残業代の請求書(内容証明郵便)の作り方を解説しました。

前回の内容

  1. 内容証明郵便で請求しなければならない理由は?
  2. 内容証明郵便の利用条件(書式など)は?
  3. 内容証明郵便の書き方は?【例文付き】

これらを詳しく知りたい方は、『自分で作る!残業代の請求書(内容証明郵便)の書き方【例文付き】』から読むと理解がスムーズです。

さて、請求書を作成したら、郵便局に持ち込んで発送手続きをすることになります。

ですが、次のような準備が必要であることをご存知でしょうか。

  • 同じものを3通作成して持ち込まなければならない。
  • 必要に応じて印鑑を押さなければならない
  • 郵便局に行ったらまずは差出表に記入しなければならない。など

これらを知らずに持ち込むと受理されず、郵便局に何回も行くことになってしまいます。
また来なきゃいけないのか……と精神的に受けるダメージは大きいです。

このページは、未払い残業代の請求書(内容証明郵便)を発送するあなたが、郵便局に何回も行かず、一発で発送を完遂するためのマニュアルです。

マイクロソフトのオフィス「Word(ワード)」を持っている方は「e内容証明」が利用できます。「e内容証明」は内容証明郵便を24時間いつでもネットで発送できるとても便利なサービスです。Wordを持っている方は『ネットで完結!残業代の請求書は電子内容証明で送る【e内容証明版】』のページに移動してください。

1.作成した請求書の印刷

あなたの手元には、『自分で作る!残業代の請求書(内容証明郵便)の書き方【例文付き】』を参考に作成した請求書のデータがあります。

これを、3通、印刷しましょう。

内容証明郵便は、「誰が?」「いつ?」「どんな内容の?」手紙を発送したかを日本郵政(郵便局)が証明してくれるというものでした。そのため、相手方に発送する用郵便局が証明のために保存する用あなたが手元に保存する用の、計3通を準備する必要があるのです。

印刷をしたら、1ページ当たりの字数と行数が正しく反映されているか、念のためにチェックしておきましょう。

自宅にプリンターがないなど印刷ができない場合、コンビニエンスストアで印刷できるサービスもあります。

2.印鑑を押す

印刷した請求書が1通当たり2枚以上にわたる場合、契印けいいんが必要です。

1通当たり1枚の場合、印鑑を押す必要はないので、本項は読み飛ばしてください。

契印(けいいん)とは、後からページを追加、あるいは、抜き取るなどして、契約(文書)の内容をねつ造する不正を防ぐために、ページ間にまたがって押す印鑑のことです(写真参照)。

では、契印を押していきましょう。

2-1.ホッチキス留め

ホッチキス留めは、一般的な形(左側2ヵ所)で問題ありません。

但し、封筒に入れる際に3つ折りすることになるため、3つ折りできるよう留め位置を調整してください

2-2.ピシ―ッと折る

ピシーッと折り、できるだけ段差をなくしておかないと、契印が上手く押せません。

2-3.契印を押す

キレイに押すポイントは、右ページと左ページの段差をなくすことです。

捺印マットを用意できれば、程よいクッション性から段差を緩和できます。
わざわざ購入する必要はありませんが、購入するにしてもアマゾンで売っている300円台の捺印マットで十分です

捺印マットを用意できない場合、次のものでも代用可能です。
但し、必ず試し押しをしてください(失敗すると印刷からやり直しです)。

  • マウスパッド
  • 消しゴム(印鑑面より大きいもの)
  • コンビニエンスストアで弁当を買うともらえるウェットティッシュ(開封前)
  • ティッシュペーパーを折り重ねて厚くしたもの

また、更に、低い方のページ側に紙を1~2枚挟み込んで高さを揃えるという方法もありますが大差は出ません(私はやりません)。

印鑑は、実印である必要はなく、三文判(安価な印鑑)でもシャチハタでも構いません。但し、シャチハタは賛否両論あるので避けた方が好ましいです。
また、正式な漢字のものを使いましょう(正式には齋藤なのに、略字の斉藤の印鑑は好ましくない)。

2-4.契印が押せた

無事に押せましたでしょうか。

これを言ってしまうと身も蓋もありませんが、印影の中央部分に隙間ができてしまっても問題ありません(程度によります)。

契印は3通とも、すべてのページ間にまたがって押します。請求書が2枚にわたる場合は1通当たり1ヵ所、3枚にわたる場合は1通当たり2ヵ所……となります。
差出人に印鑑は要らないの?
差出人(あなた)の氏名の横(後)に印鑑を押すイメージがあるかもしれませんが、法的には必要とされていません。気持ちの問題ですから押したい方は氏名の横(後)に押してください。

3.発送用の封筒を用意する

相手方に発送する用の封筒(1枚)も必要です。
郵便局の窓口で無事に受理されれば、これに封入して発送します。

3-1.封筒を選ぶ

いずれかの封筒を用意してください。

  • 長形3号(長3):A4用紙を3つ折りして封入する
  • 角形2号(角2):A4用紙を折らずにそのまま封入できる

長形3号は定形郵便、角形2号は定形外郵便ですから、長形3号の方が郵便料金が数十円安いです。

新たに購入する場合にも、一般的には長形3号の方が汎用性は高そうです。

3-2.宛名などを書く

受取人(相手方)と差出人(あなた)と住所氏名を記載します。

住所、会社名、氏名などは、請求書内に記載されている表記でなければなりません。

例えば、請求書内で番地などを「一丁目2番3号」と記載している場合、「1丁目2番3号」や「1-2-3」では受理されません。

その他の字数や行数の制限はありません。表に受取人、裏に差出人のように普通の手紙同様です。

3-3.封はしない

郵便局の窓口で無事に受理された後に、これに封入しますので、封はせずに(請求書も入れずに)持ち込みます。

4.郵便局に行く前の準備

郵便局に行く前に、最終チェックをしましょう。

4-1.持ち込む郵便局の確認

全国すべての郵便局で内容証明郵便の発送手続ができるわけではありません。むしろ、取り扱っている郵便局の方が少ないです。

ですので、郵便局(日本郵便株式会社)のホームページ内、郵便局を探すページにて、事前に確認しておくことをお奨めします。

4-2.持ち物の確認

次のものを持参してください。

  • 請求書(3通)
  • 発送用の封筒(1通)
  • 印鑑 ※念のため
  • 発送にかかる料金(2,000円前後、3,000円あれば安心) ※詳細は後述

4-3.「配達証明」の必要性

内容証明郵便とは、郵便に「内容証明」というオプションを付けたものであり、内容証明オプションの効用は、「誰が?」「いつ?」「どんな内容の?」手紙を発送したかを日本郵政(郵便局)が証明してくれるというものでした。

間違いやすいオプションに「配達証明」というオプションがありますが、「内容証明」と「配達証明」はまったく異なるものです。

わかりやすく、その違いを表にしてみます。

証明できる内容内容証明配達証明
いつ発送したか?立証できる立証できない
誰が誰宛に発送したか?立証できる立証できない
どんな内容か?立証できる立証できない
 いつ配達されたか?立証できない立証できる

「内容証明」は、いつ配達されたか?を立証できないということです。

請求書発送後に控える交渉や裁判において、稀に「そんな書類は受け取ってない」と言い逃れしようとする相手方もいますから、配達証明オプションも付加し、いつ配達されたか?までを立証できるようにしておく必要があります。

よって、「内容証明」と「配達証明」の2つのオプションはセットで利用すれば万全と理解してください。

4-4.料金の確認

内容証明郵便に係る費用は次の通りです。
郵便料金一般書留内容証明配達証明

郵便料金82円基本料金
※定形郵便、25gまでの場合
一般書留430円引き受け(発送)から配達までの送達過程を記録するオプション。
内容証明を利用する際には必須。
内容証明430円2枚目以降は1枚増えるごとに260円加算。
配達証明310円
合計1,252円平均的には1,800円前後。

自分で作る!残業代の請求書(内容証明郵便)の書き方【例文付き】』を参考に作成した場合、請求書は3枚綴りですから料金は1,772円となります。

5.郵便局に着いてからの手続き

郵便局に着いたら、「書留・特定記録郵便物等差出票」に記入して、窓口に提出するだけです。

5-1.書留・特定記録郵便物等差出票の書き方

ご依頼主(あなた)の住所氏名、及び、お届け先(相手方)の氏名(会社名や役職名含む)を記入してください。

相手方の氏名などを記入する欄がかなり狭いので、小さい文字で記入してください。

差出票は複写式(2枚綴り)です。
差出票は郵便局内の記入台などに備え付けられていることが多いですが、見当たらない場合、直接窓口に「内容証明を送りたいのですが」申し出てください。

5-2.窓口に提出

郵便窓口にて、「記入した書留・特定記録郵便物等差出票」、及び、「持参した各書類」を提出してください。

窓口の担当者によって、内容証明の利用条件(書式など)を満たしているか?必要書類は揃っているか?などが細かくチェックされます。
無事に受理されれば、「では封筒に封入してください」と指示されますので、指示された通りに封筒に封入してください。

料金を支払い、次のものを受け取れば、発送は完遂です。

  • 請求書(あなたが手元に保存する用1通)
  • 書留・特定記録郵便物等差出票の控え
  • レシート

5-3.参考までに郵便局の証明期限は?

差し出した日(発送日)から5年です。

5年以内であれば、発送した郵便局に保存されている請求書を閲覧することができます(有料430円)。
また、同じく5年以内であれば、再度証明を受けることもできます。

お疲れ様でした。
これで正式に残業代の請求がスタートしました。

これからが本番ではありますが、慣れない作業を完遂できたこと、第一歩を踏み出せたことが素晴らしいことであると思います。

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