今日は、残業代請求における「あなたにとって最適な請求方法」を解説します。

最適な請求方法とは、次の2つが明確に決定されているものです。

  • 自分で請求すべきか?専門家に依頼すべきか?
  • 専門家に依頼する場合、その依頼先

請求方法の選択、及び、依頼先の選定は、あなたの唯一無二の最重要 課題です。

特に専門家に依頼する場合、依頼後は専門家が交渉などをコントロールし、程度の差こそあれ基本的には、あなたはそれに従うだけだからです。
言い換えれば、軽はずみな選定は、請求中の余計なストレスとなってあなたに返ってきます。

残業代の請求中、あなたはどちらの状態でありたいですか?

憂鬱ゆううつ
なかなか解決しないし、弁護士もテキトーな気がするし、失敗したかな……。
爽快そうかい
時間はかかってるけど、弁護士の方は遅滞なく動いてくれているし、任せておけば安心だな!

このページで説明する方法を利用すれば、あなたにとって最適な請求方法を決定することができます。

1.「無料相談の実施」は依頼先選定の決定打にはならない

残業代請求を依頼する際、まずは無料相談を受ける方が多いと思います。

昨今、「初回相談 無料」「相談料 0円」は一般的になってきましたが、6年ほど前までは、無料相談を実施している専門家はほとんどいなかったことはご存知でしょうか。

その当時であれば、無料相談を実施しているというだけで、その専門家に依頼する価値は十分にありました。
しかし、無料相談が一般化した今、「無料相談の実施」は依頼先選定の決定打にはならないのです。

残業代請求を含めた労働問題においては、集客の観点、難易度の観点、効率化の観点などから無料相談が一般化しましたが、まだ一般化していない紛争類型も多くあります。

2.あなたの無料相談、依頼すること前提になっていませんか?

あなたが無料相談を利用する目的は何ですか?

  • 請求が正当か判断してほしいから。
  • 自分で調べてみたけどよくわからないことがあるから。

どれも目的のひとつとしては適切です。

しかし、気持ち的に、依頼すること前提の無料相談になっていませんか?

依頼すること前提の無料相談には、意味も価値も(ほとんど)ありません。

無料相談を利用する側、つまり、あなたはからすれば「依頼すること前提の無料相談」ではなく、「最適な請求方法を決定するための無料相談」と捉えるべきです。

なぜなら、無料相談を利用する正しい目的は次のようなものだからです。

  • 依頼する専門家を比較検討したいから。
  • 先に相談した専門家の言ってることが正しいかセカンドピニオンがほしいから。
  • 社会保険労務士や弁護士など、誰に依頼するのが自分の状況にマッチするかを検討したいから。
  • もっと言えば、本当に専門家に依頼する必要があるか?を検討したいから。

せっかくの無料相談、複数を使い倒してください
既に、依頼先(士業)を比較する時代になっているのです。

3.そもそも専門家に依頼する必要があるのか?

3-1.自分で請求すべきか?を悩んでいる人も多い


残業代請求は専門家に依頼しなければならない風潮があるように感じますが、専門家の力を借りずにあなた自身で請求するという選択肢もあります。

残業代請求においては必ずしも最初からいわゆる裁判を行う必要がないため、あなたの状況や相手方(勤務先や元勤務先)の姿勢によっては、「書面のやり取り(いわゆる示談交渉)」や「労働基準監督署を仲介とした交渉」で解決できるケースもあるからです。

そのため、本来は、本当に専門家に依頼する必要があるのか?自分でできることはないのか?の検討から始めなければならないのです。
それによって、少しでも費用が削減できるのであればなおさらです。

しかし、労働問題の知識や経験を蓄えた有識者でなければ、自分で請求すべきか?最初から専門家に依頼すべきか?を判断できないのもまた事実です。

そうです、そのような時にも無料相談が役に立つのです。

無料相談を提供している専門家は、正に労働問題の知識や経験を蓄えた有識者ですから、その難易度を予想することができます。難易度が高ければ専門家への依頼を視野に入れ、難易度が低ければ自分で請求することを具体的に検討すれば良いのです。

無料相談を提供している専門家は、あなたが依頼しようかどうか悩んでいることは承知の上です。セカンドオピニオンのために他事務所などと比較検討しているであろうことも知っています。しかし、「自分で請求しようと思ってるので、いろいろ教えてもらいたいだけなんです!」など露骨すぎる表現は避けましょう。お互い大人ですから。

3-2.残業代請求の「超」基本的な流れ


専門家に依頼せず自分で請求してみようかな?とお考えの方のために、「基本的な流れ」と「難関」をお話しておきます。

アクション1

相手方に内容証明郵便で請求を行い、書面のやり取りなど(いわゆる示談交渉)での解決を目指す。

アクション2

労働基準監督署に相談(申告)をし、調査や交渉の仲介をしてもらい、解決を目指す。

アクション3

労働審判手続き(労働問題専門の簡易裁判)の申立てなどをし、裁判での解決を目指す。

ポイントは、アクション2であり、理由は次の3つです。

  1. 労働基準監督署は労働問題の警察であり、彼らを仲介とした交渉は時として非常に効果的。
  2. 公的機関だから、費用が一切かからない。
  3. アクション2までは個人でもその気になれば行うことができる(アクション3は難易度が高いかもしれない)。

ですので、何の検討もなしに、アクション1からアクション3に進むことは適切とは言えません。

加えて、これはしっかりと理解しておいてほしいのですが、労働審判手続きや訴訟によって結論(審判や判決)が出た事件は、労働基準監督署への相談(申告)の対象外となります。
簡単に言えば、アクション1からアクション2アクション3は一方通行であり(アクション2を飛ばすことは可能)、逆行も並行もできないということです。

2011年8月頃以降、労働基準監督署への申告が有効ではないケースも増えています。そのため、「これ以上示談交渉を継続しても時間を浪費するだけ」や「労働基準監督署に申告しても好転は期待できない」といった判断がなされた場合には(アクション2を飛ばして)労働審判手続きの申立てなどに移行する場合もあるでしょう。

3-3.自分で請求する場合の最大の難関は?


労働基準監督署という公的機関を仲介とするアクションが時として非常に効果的であるにもかかわらず、最初から専門家に依頼する方も非常に多いです。

その理由は、労働基準監督署に相談しても直ちに動いてくれるわけではないからです。

労働基準監督署に調査や交渉の仲介をしてもらうためには、ある前提条件をクリアしなければなりません。

前提条件とは、「相手方への内容証明郵便による請求(前記のアクション1)を行ったにもかかわらず、相手方から適切な回答を得られなかった(無視された、パワハラによってもみ消された、明らかに不当な額の提示しかなかったなど)」という事実です。

調査には動いてくれませんが、相談は受けてくれます。

労働基準監督署を動かすための前提条件については、『労働基準監督署に行っても取り合ってもらえない?その理由とは?』にて詳しく解説しています。

そのため、自分で請求するためには少なくとも次の4つのポイントをクリアしている必要があると言えます(状況による請求難易度は別途検討が必要)。

  1. 残業代が正しく支給されない理由(違法な点、争点)がわかっている。
  2. 請求金額を計算できる。つまり、労働時間と給与額(内訳)から正しい残業代を計算できる。
  3. 内容証明郵便の書き方、発送方法がわかる。
  4. 上記1~4を含め、わからないことを自分で調べることができる(時間的や性格的に)。

これら(特に4)をクリアできない場合には、専門家に依頼することをお奨めします。
そして、相談をしてこられた方も「内容証明郵便作成や間違いのない計算書作成の手間を省きたい」、「と言うより、すべて(ほとんど)お任せしたい」、「それらの対価として成功報酬で済むならどうせ半ば諦めていたお金だし構わない」とお考えになることも多いのです。

4つのポイントをクリアするための参考記事
  1. 残業代が正しく支給されていない理由: まだ損してるの?「実は労働時間に該当する」6つの事例
  2. 正しい残業代の計算(概算)方法: あなたが受け取れる残業代はいくら?初心者のための計算方法
  3. 内容証明郵便の書き方と送り方: 自分で作る!残業代の請求書(内容証明郵便)の書き方【例文付き】

4.専門家に依頼する場合の専門家の探し方

無料相談や、前記の4つのポイントにて検討した結果、専門家に依頼すると決心したあなたが、依頼先の選定に失敗しないよう、一番悪い例をお話させていただいてもよろしいでしょうか

あなたはインターネットで「残業代 請求」と検索します。すると、560,000件の検索結果が表示されます。

こんなにたくさんからは選びきれないと考えたあなたは、次は「残業代 請求 埼玉」などと検索しますが494,000件の検索結果が表示されます。「残業代 請求 沖縄」で検索すると647,000件です。沖縄に至っては地域を限定しているのに検索結果が増えるという不可思議な事態です。

では、「残業代 請求 成功報酬」と検索するとどうでしょうか。
それでも168,000件の検索結果が表示されます。これではらちがあきません。

検索上位に表示されるサイトが優良であると感じているあなたは、上位から1件1件チェックしてみることにします。しかし、1件1件チェックしていくうちにあなたはこう感じるはずです。「どこがデキる事務所なんだろう?ホームページだけじゃわからないな」と。

少し検索に慣れている人は「○○事務所 口コミ」や「○○事務所 評判」というキーワードで二次的な検索をするかもしれませんが、おそらく行き着く悩みは同じです。

そして、ホームページだけでは残業代請求に精通している事務所であるかどうか判断できないことに混乱してきたあなたのような方こそが、「無料相談の有無」や「料金」という判断基準に頼り、依頼先を選定してしまうのです。

注意してください。

このような流れで依頼先を選定してしまうことは、アタリを引くか、ハズレを引くか、ギャンブルをしているようなものかもしれません。

労働問題は、昨今の残業代請求ブームに乗って何となく始めたような社会保険労務士事務所、行政書士事務所などでは、残業代を回収するどころか、事態を悪化させてしまうケースがあります。

私たち残業代バンクにも、「近所の○○事務所に依頼をしてお金も払ったのですが、3ヵ月経っても何ら進展しません」「裁判費用を払ったのに、準備に2ヵ月以上かかっています」などの不安を抱えたご相談が寄せられることがありますが、正直、お金を支払ってしまえば依頼先を変えることは簡単ではありません。

ホームページからだけでは、何となく始めたものなのか?知識と経験を蓄えたものなのか?の判断はつかないのです。

専門家に真に求められるものは経験値です。

残業代バンクは、6年前の起ち上げから当初から未払い残業代の請求に特化し、多くの方を支援してまいりました。
特化することにより、着手金も時間報酬も必要ない、残業代を回収できた場合のみ成功報酬を申し受けるという今までにない仕組みを構築しました(2014年頃からこの成功報酬型が業界のスタンダードになりました)。

前記の「残業代 請求 成功報酬」の検索結果件数は、この1年ほどだけでも40,000件も増えました。このことからも成功報酬型が一般的になっていることは明らかです。
6年という長い歳月の中で、相談者様(依頼者様)の求めるもの、依頼を受ける側の体制も大きく変化してきました。私ども残業代バンクもこの変化に適応すべく、提供するサービスをブラッシュアップ、または、取捨してきているため、現在の体制とは異なる点もございます。

また、残業代請求の相談を受けたところ、他の違法行為(あなたからすれば請求できる対象)が見つかることも少なくありません。

手前みそながら、私どもは労働問題全般を得意分野としていますので、広い視野と深い経験則から、あなたの状況を分析させていただくことが可能です。

5.つまり、無料相談を使い倒して十分に比較検討してほしいということ


ご理解いただけましたでしょうか。

仮にあなたの請求ケースが、相場として100万円を回収できるものとします。
ですが、請求の方法によってはそれが200万円になるかもしれません(反対に50万円になってしまうかもしれません)。専門家に依頼する場合には、依頼先によって費用も異なるわけですから手元に残る額の差は更に大きくなるかもしれません。

私は何も「残業代バンクに依頼しなさい」「残業代バンクはパーフェクトです」と言っているわけではありません。
本当に専門家に依頼する必要がありますか?依頼先は手間をかけて比較検討しましたか?依頼先を飛び込みで決めてしまうことにはリスクを伴いますよ!ということをわかってもらいたいのです。

だから、無料相談は重要なのです。

あなたの考え方、時間的あるいは精神的な余裕の有無、依頼先に求めるもの、人間としての好き嫌い、すべてを満たす依頼先を見つけることは困難かもしれません。だからこそ、せめて、複数の無料相談を使い倒さなければならないのです。